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2025.05.15
外壁塗装の見積もりの注意点を解説

外壁塗装の見積もりは、金額だけを比べると失敗につながりやすいです。適切な見積もりかどうかは、各工程の有無や塗料名・塗布量、面積の根拠、保証条件まで確認して初めて判断できます。
本記事では、問い合わせから契約までの流れ、準備しておく書類、依頼のベストタイミングを整理し、同条件で2〜3社を比較するためのチェックポイントを具体的に解説します。ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の見積もりを取得する基本|流れ・必要なもの・依頼のタイミング
外壁塗装の見積もりは、同条件で2〜3社に依頼して比較するのが基本です。問い合わせから契約までの全体像と、準備物や頼みどきの目安をまとめました。
- 問い合わせ
- 現地調査(建物の外周・高さ・開口部を踏まえて実測。図面があればスムーズ)
- 見積もりの受領・説明(提出は3〜7日が目安)
- 条件をそろえて比較(塗料・工程・塗布量・面積根拠・保証など)
- 契約(工程表や保証条件を再確認)
また、見積もりを取得するときは、以下のようなものを用意しておくと、見積もりの精度を高め、比較時の条件のブレも防げます。
- 建物の図面(立面図など)・築年数
- 外壁材の種類/過去の塗装・補修履歴
- 気になる劣化箇所の写真やメモ
- 希望する工期(いつまでに終わらせたいか)と予算の上限
外壁塗装の見積もりを依頼するときは、希望施工時期の4〜6か月前に取り始めるのが目安です。一方で、色あせやチョーキング(外壁をこすると白い粉が付く現象)、シーリング割れ(サッシまわり・目地の充填材にできるひびやすき間)などが見え始めたら早めに相談することも大切です。
見積書の見方と内訳
外壁塗装の相場は、80万円から140万円程度です。
20坪なら80〜100万円、30坪は90〜110万円前後が相場となります。40坪は100〜120万円、50坪以上の場合は110〜130万円程度と、外壁塗装を行う面積によって費用が異なります。
また、見積もりの項目には以下のようなものがあります。
- 足場の設置
- 飛散防止シート
- 養生
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- コーキング処理
- 付帯部の塗装
- 廃材処分費
- 交通費
見積もりの際に、必要な項目が記載されているかどうかチェックし、不明点があれば遠慮せず確認しておきましょう。
費用相場と価格の根拠
外壁塗装の見積もりは、原則として人件費+材料費(塗料等)+共通仮設(足場など)+諸経費の合算で決まります。具体的には、以下のような要因で変動します。
| 要因 | 概要 |
|---|---|
| 塗料グレードと規定塗布量 | シリコン、ラジカル、フッ素、無機など、耐久性が上がるほど材料単価や必要塗布量が増える |
| 人件費と工程数 | 下地補修の範囲、3回塗りの厳守、養生や検査の手間が人件費に反映される |
| 足場など共通仮設 | 建物の高さや立地、近隣配慮の養生規模で費用が変動する |
| 建物形状・劣化度・面積 | 外壁の凹凸が多い、ひび補修が多いといった条件では工数が増える |
| 付帯部の対象範囲 | 雨樋・破風・軒天・シャッターボックスなど、含める範囲で総額が変わる |
| 屋根同時施工の有無 | 足場を共用できるため、外壁と屋根を同時に進めるとトータルコストを抑えやすく、工期短縮にもつながる |
外壁塗装の見積書の見方を理解するメリット
外壁塗装の見積書を取得する際は、項目や金額相場、内訳などを把握しておくことをおすすめします。
外壁塗装の見積書を理解しておくことで得られる、以下のメリットについて解説します。
- 必要・不要な作業がわかる
- 金額が適正か判断できる
- 見積もり内容が工事に反映されているか確認できる
必要・不要な作業がわかる
外壁塗装における工程や、見積書に含まれる項目について理解しておくことで、必要な作業が飛ばされていないか、また不必要な作業が含まれていないか判断できます。
必要な作業を飛ばして安く見せている場合、手抜き施工の恐れがあります。また、必要な作業のはずなのに記載が抜けている場合も気づくことができるため、必要な工程をちゃんと行なってくれるのか業者に確認できるという点がメリットです。
不要な作業で金額をかさ増ししていないかチェックするためにも、見積書の見方を理解しておくことが重要です。
金額が適正か判断できる
外壁塗装の項目や工程ごとの相場を把握しておくことで、見積書に記載されている金額が適正か判断できます。
安すぎる、もしくは高すぎる場合、金額の根拠を業者に確認できます。金額の根拠が適正か判断するためにも、複数の業者に相見積もりを取り、金額を比較することが重要です。
見積もり内容が工事に反映されているか確認できる
見積もり内容を理解しておくことで、外壁塗装の工事が見積もり内容に沿って実施されているかを確認することができます。
見積書に項目が書かれていても、どのような作業なのか知らなければ、その通りに工事が行われているか判断できない可能性があります。見積書と実際の作業に相違がある場合は説明を求めたり、見積もりの通りに作業をしてもらうよう要請したりできるため、見積もりの項目について理解しておくことが重要です。
見積書に書かれている項目や工程について、どのような作業を行うのか業者に確認しておくようにしましょう。
外壁塗装の見積もりにおける注意点

外壁塗装の見積もりを取得した際にチェックしておきたい、以下のポイントについて解説します。
- 見積もりは複数社から取得する
- 工程がきちんと書かれているか
- 塗料のメーカーと金額が記載されているか
- 「一式」という表記が多用されていないか
- 塗装する面積が明記されているか
- 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りかどうか
- 保証やアフターケアの内容は充実しているか
見積もりは複数社から取得する
外壁塗装の見積もりは同条件で2〜3社に依頼し、内容を横並びで比較しましょう。見積もりを取りすぎると条件のブレが増え、判断に時間がかかります。まずは比較軸を統一し、責任を持って説明してくれる業者を見極める姿勢が重要です。
条件をそろえるチェックポイント
- 塗料メーカー/製品名/グレード(例:ラジカル、フッ素、無機などを明示)
- 工程と回数(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り、各工程の規定塗布量)
- 面積の根拠(外周×高さ−開口部の計算式、実測か図面算出かを記載)
- 足場・養生・下地補修・付帯部・廃材処理・諸経費の個別内訳
- 保証(年数、対象範囲、免責条件、アフター点検の頻度)
- 見積もりの提出期限・有効期限(例:提出7日以内、有効30日など)
この手順で「同条件・同指標」の比較ができるようになり、価格より工程の内容と保証の質で選べる状態に近づきます。
工程がきちんと書かれているか
見積書で、外壁塗装の各工程が明記されているかどうかを確認するようにしましょう。
外壁塗装は一般的に、以下のような工程で行われます。
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 養生
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- 点検・仕上げ
見積もりに記載されている工程を確認した上で、不明点があれば質問して明らかにしておくことが重要です。また、業者ごとに見積もりの表記が異なるケースもあります。そのため、不明点はそのままにせず、必ず時間をとって説明をしてもらうようにしましょう。
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塗料のメーカーと金額が記載されているか
外壁塗装の金額は、使用する塗料によって大きく異なります。代表的な塗料と、金額の相場は以下の通りです。
- ウレタン塗料:1,600円〜2,000円/㎡
- シリコン塗料:2,000円〜3,500円/㎡
- フッ素塗料:3,000円〜/㎡
また、外壁の状態や求める効果などによっても適した塗料が異なります。塗料の種類やメーカー、金額が記載されているかチェックし、なぜこの塗料にしたのかという根拠も聞いておくことが重要です。
メーカーのホームページで、塗料についての解説に目を通しておくと比較時に役立ちます。
関連記事:外壁塗装の塗り方を解説|塗料の種類や外壁別おすすめ塗料も紹介
「一式」という表記が多用されていないか
見積書で、作業の工程や項目などが記載されておらず、「一式」とひとまとめになっている場合は注意が必要です。「一式」の内訳をきちんと確認しておくようにしましょう。
工程や項目だけでなく、外壁のどの部分を塗装するのか、逆に塗装しない箇所はどこかについても確認しておくことが重要です。
また、諸経費と記載されている箇所にも注意が必要です。見積もり時には、具体的にどのような箇所にお金がかかるのかをチェックしましょう。
塗装する面積が明記されているか
見積書では、各工程で作業する面積について明確に記載されているかどうかをチェックするのがポイントです。塗装だけでなく、足場や高圧洗浄の面積についても明記されているか確認しておくようにしましょう。
可能であれば、面積だけでなくなぜその面積になったのかが分かる計算式も併記してもらいましょう。きちんと調査を行っていることの証拠になり、業者に対する信頼性が高まります。
下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りかどうか
外壁塗装には、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装が必要です。中塗りという表記ではなく上塗り2回という表記になっている場合もありますが、3回以上塗装が行われるのかどうかがポイントとなるので、回数をチェックするようにしましょう。
場合によっては5回塗りが行われることもあります。また、それぞれの塗装で使われる塗料についても記載があるか確認するのがポイントです。
保証やアフターケアの内容は充実しているか
外壁塗装の見積もりを取得する際は、保証内容やアフターフォローについても確認しましょう。
施工後の塗装剥がれや劣化に対する保証期間や保証範囲を明確にし、万が一トラブルがあった場合に無償で対応してもらえるかを把握しておくことが重要です。また、定期点検などのアフターフォローの内容も具体的に確認しておくことで、安心して施工を依頼できます。
外壁塗装の見積もり取得でよくある質問
最後に、外壁塗装の見積もり取得でよくある質問をまとめました。外壁塗装をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の見積もりは何社に取るべきですか?
外壁塗装の見積もりは、まったく同じ条件で2〜3社に依頼することがおすすめです。多くの会社に見積もりを依頼してしまうと、比較する条件が増えてしまい、判断に時間がかかります。比較軸をしっかりと決め、責任を持って説明してくれる業者を見極めましょう。
見積もりは何日で出ますか?有効期限は?
現地調査の翌営業日から約1週間で届くケースが一般的です。有効期限は30日を目安に設定されることが多いため、比較検討や家族内での相談、施工時期の調整をこの期間内に進めておくと安心です。会社によって運用が異なるため、期限の延長可否も合わせて確認しておきましょう。
「一式」表記は信用して大丈夫ですか?
「一式」があっても即不適切とは限りません。数量と単価の提示に加え、作業範囲の明記を依頼し、足場・養生・下地補修・付帯部・廃材・諸経費の内訳を確認しましょう。説明が曖昧なら再提示を求めるのが安全です。
相見積もりで値引き交渉は可能ですか?
条件が同一であることを示せれば、調整される可能性があります。大幅な値引きが出た場合は、工程削減や材料変更の有無、保証内容の変化を必ず確認してください。価格だけで判断せず、工程の中身と保証の質を主軸にしましょう。
まとめ
外壁塗装の見積もりでは、塗料の種類や工程、面積の根拠などをきちんとチェックしながら、2〜3社を同じ条件で比べるのがポイントです。気になる項目は遠慮せずに確認し、保証内容や金額の内訳までしっかり把握しておくことで、後悔しない選択につながります。
事前の準備と少しの知識があれば、納得できる見積もりにぐっと近づきます。満足のいく外壁塗装を実現するために、できることから始めてみましょう。
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